05/09,
2021
エムガルティ(一般名:ガルカネツマブ)
2020年2月3日に院長コラムで「CGRPを標的にした新しい片頭痛治療薬」について解説をしました。このたび、ようやく先月の4月末に日本でも使用できるようになりました。厚生労働省のガイドラインでは投与対象となる患者さんについて以下のようになっています。1.きちんと診断されている。2.片頭痛が起きた日数が過去3か月で平均して1か月あたりに4日以上である。3.日常生活をコントロール(睡眠、食生活など)して、頭痛時にトリプタンなどを服用をしても、痛みのために日常に支障をきたしている。4.発作抑制薬(ミグシス、デパケン、ベータブロッカー、呉茱萸湯など)で十分な効果が得られない。 日本での治験での成績は良好のようです。具体的には1か月に1回の皮下注射になりますが、片頭痛日数が約半数(49.8%)の患者さんで半減し、さらに4分の1以下になった患者さんは25.5%ありました。注目すべきは9%の患者さんで頭痛発作がまったくなくなったという結果でした。問題は薬価ですが、1回につき45,165円(アメリカでは500ドルと聞いてます)ですから、3割負担としても結構高価な治療費になります。難しい選択になりますが、寝込んでしまうような頭痛で支障きたしている患者さんにとっては福音であることは確かですね。 ネット見ていましたら、オードリーの若林さんがこの注射薬の体験を相方の春日さんと対談しているのを読みました。検索してみてください。効いているようです。