脳神経外科 ふくおかクリニック

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【31】片頭痛と上手につきあう“睡眠リズム”のヒント

「片頭痛はただの頭痛ではありません」――そう感じている方も多いのではないでしょうか。ズキズキと痛む、吐き気や光・音への過敏が伴う。そんな片頭痛のつらさは、実際に経験した人でなければなかなか分かりにくいものです。そしてこの頭痛、実は「睡眠」と密接な関係があることが知られています。睡眠不足はもちろん、「寝すぎ」でも片頭痛が誘発されることがあるのです。

たとえば、平日は仕事で忙しく睡眠不足気味。ようやく迎えた週末、「今日はゆっくり寝よう」と思って長く眠ったら……かえって頭痛がひどくなってしまった。そんな経験、ありませんか? 実はこれ、「ウイークエンド頭痛」と呼ばれ、片頭痛持ちの方にとってはよくあるパターンです。生活リズムの乱れ、特に睡眠時間の急激な変化は、脳にとって大きなストレス。それが片頭痛の引き金になってしまうのです。

また、片頭痛は「ホルモン」との関係も深い病気です。女性に多い病気であることからも分かるように、生理のタイミングや排卵の時期に症状が強くなる方も少なくありません。そこには、女性ホルモン(エストロゲン)の変動が関係しています。同じように、「眠り」に関わるホルモン、たとえばメラトニンやセロトニンといった物質も片頭痛の発症と関係することが分かっています。

メラトニンは夜になると分泌され、私たちの眠気を促してくれるホルモンです。最近の研究では、このメラトニンが十分に分泌されないと、片頭痛の発作が起こりやすくなる可能性があることが分かってきました。また、セロトニンは気分や痛みにも関わる物質で、片頭痛の治療薬の多くがセロトニン受容体に作用しています。このように、私たちの「睡眠」と「頭痛」は、脳内の化学物質レベルでつながっているのです。

さらに注目すべきは、「睡眠」は自分で調整できる、数少ない生活習慣の一つであるということ。片頭痛の発作は、気圧や気温の変化、ホルモンバランスなど、自分ではどうにもならない要因によっても起こります。でも、睡眠のリズムだけは自分の心がけで整えることができるのです。

片頭痛とうまく付き合うために、まずは「毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる」ことを意識してみてください。寝不足にならないようにするのはもちろんですが、寝すぎにも注意が必要です。できれば、平日と休日で睡眠時間を大きく変えないことが理想です。寝だめや徹夜は避け、朝は太陽の光を浴びて体内時計をリセットするのもおすすめです。

片頭痛は、体からの「リズムが乱れているよ」というサインかもしれません。まずは毎日の睡眠リズムを整えることから始めてみませんか?

私事ですが、閃輝暗点(視野の一部に10-15分ほどギラギラが見える現象です)を今まで何度も経験しています。起きるタイミングとしては睡眠不足でかなり疲れているときに起きます。この現象には視覚中枢の後頭葉にCSD(cortical spreading depression:皮質拡延抑制)という現象がかかわっています。睡眠不足がCSDに深くかかわっていることが報告されています。私はギラギラを「疲れているから、きちんと十分な睡眠をとりなさい」というサインとして受け止めることにしてます。

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