01/11,
2026
【30】天気と片頭痛の深い関係ー「気のせい」じゃありません
当院の患者さんで「天気が悪くなると頭痛がするので、友達と会う約束が前もってしずらく、付き合いが難しくなる」と悩みを訴えた方がいます。この方は、その後CGRP関連薬の注射治療にてかなり改善し、「友達といつでも会う約束できるようになり、人生がまた楽しくなった」とお話しされていました。
雨の前や台風の時期になると、決まって頭痛に悩まされる…そんな経験はありませんか?「天気のせいで体調が悪いなんて、きっと気のせいだ」と周囲に言われてしまい、つらい思いをしている方もいるかもしれません。しかし、天気(特に気圧の変化)と頭痛の関係は決して“気のせい”ではありません。医学的にも、気圧の変化で頭痛や体調不良が起こる「天気痛」や「気象病」が存在することが認められています。
◆ 気圧の変化で片頭痛が起こるのはなぜ?
耳の奥の「内耳」には気圧の変化を感じ取るセンサーのような働きがあります。気圧が急に下がると、この内耳が刺激され、自律神経のバランスが崩れます。自律神経が乱れると、血管が必要以上に広がったり、脳の神経が過敏になったりして、片頭痛を引き起こしやすくなります。 片頭痛の患者さんでは痛みに関与する中枢神経系が過敏な状態になっており、気圧低下といった環境変化は本来であれば微小な生理的刺激ですが、中枢が過敏になっている片頭痛の患者さんではこの刺激が過大に反応され、発作の引き金になります。
◆ 片頭痛は複合的な要因で起こることも
片頭痛の引き金は気圧だけではありません。寝不足や寝すぎ、ストレス、ホルモンバランスの変化など、いくつかの要因が重なったときに発作が起こりやすくなります。特に女性の場合、生理や排卵の時期にはホルモンの影響で片頭痛が起こりやすくなることもあります。生活リズムを整えておく(まずは規則正しい生活)ことが、発作の予防につながります。
◆ 気圧の変化とうまく付き合うために
片頭痛をうまくコントロールするためには、まずご自身の頭痛発作のパターンを知ることも大切です。天気と頭痛の関係を記録する「頭痛ダイアリー」をつけると、自分の体調の変化に気づきやすくなります。他の要因(寝不足、寝すぎ、ストレスなど)が加わっているかもしれませんが、それらの気づきにも役立ちます。また、スマートフォンの気圧予報アプリを利用すると、気圧の急変に備えた生活の工夫ができるようになります。
頭痛が起こりそうなタイミングでは、早めの休息や鎮痛薬の使用が有効です。我慢せず、医師と相談しながら、自分に合ったお薬を適切に使うことで、痛みを軽く抑えることができます。片頭痛の発作が頻繁に起こる場合には、予防薬の使用が有効ですので、専門医へのご相談をおすすめします。
◆ 最後に
天気が悪くなると調子が悪くなる、予定を立てるのが不安になる――そんなお声をよく耳にします。でもそれは決して気のせいではありません。天気痛には身体の仕組みによるきちんとした理由があり、正しく向き合えば予防や軽減も可能です。つらい症状と無理に一人で向き合おうとせず、どうぞお気軽にご相談ください。










