脳神経外科 ふくおかクリニック

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デフォルトモードネットワーク

私たちの脳は体を動かしたり、考えたりするときに活動し、何もしないでぼんやりしているときは脳も休んでいると考えられてきました。ところが、最近ぼんやりしているときに、脳の中で盛んに活動している神経回路が存在することをワシントン大学のレイクル博士が明らかにしました。この回路は前頭前野と帯状回後部を中心とした回路で、デフォルト(標準設定の意味)モードネットワーク(回路)と名付けられました。どんな働きをしているのかというと、現在的には「自己認識機能」を担っていると考えられています。つまり「自分が今生活している中でどのような立ち位置にいるのかを客観的に認識する機能」といえばいいのでしょうか。

アルツハイマー型認知症(AD)では見当識(時間・場所などから、自分のおかれた状況を判断する機能)の障害が見られます。今いる場所がわからない、日付や曜日がわからないといったことが起きてきます。また、「自分は物忘れなどない」などの病識のなさも家族の方を困らせます。ADの患者さんで脳血流検査(SPECT)をすると、前頭前野、側頭頭頂葉、後部帯状回、楔前部の血流低下(機能低下)がみられます。これは先ほど述べたデフォルトモードネットワークの部位に相当します。このためにADの患者さんでは「自己認識機能」が低下することになり、病識のなさもこのネットワーク機能の低下に由来していると考えられます。これを理解していただくことが、記憶障害だけではないADの患者さんの様々な症状に寄り添っていける一助になれば幸いです。

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