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2026
【52】スマホ首と緊張型頭痛
― 首にやさしい暮らしの工夫と簡単な体操 ―
2026年10月8日、TBSの朝の情報番組「THE TIME,」で、「スマホ首」の対策が紹介されていました。首を支える小さな器具や、立って仕事ができる机など、興味深いものばかりでした。首のこりや頭痛でお困りの方も多いため、今回は番組をきっかけに、首への負担を減らす方法を考えてみたいと思います。
以前の院長コラムでは「緊張型頭痛【45】」についてお話ししました。また、「ストレートネック【39】」についてもお話しさせていただきました。今回はそれらの続編として、日常生活で取り入れられる工夫をご紹介します。
「スマホ首」はなぜ起こるのでしょうか
スマートフォンを見ていると、知らないうちに顔が前に出て、うつむいた姿勢になっていませんか。
頭にはかなりの重さがあり、それを支える首や肩の筋肉には負担がかかります。長時間同じ姿勢を続けると、首こりや肩こりが生じ、緊張型頭痛の一因になることもあります。
ただし、「スマホ首」は正式な病名ではなく、主に頭が前に出た姿勢を指す言葉です。レントゲンで首の自然なカーブが少なく見える「ストレートネック」とも、必ずしも同じではありません。首のカーブが少ないだけで、頭痛の原因と決めつけることもできません。
便利な器具はどこまで役立つのでしょうか
番組で紹介された「ネックスタイル」は、顎の下を支えて、頭が前に出る姿勢を意識しやすくするものです。首を包むサポーターや、空気を入れて首筋を伸ばす器具もあります。
また、プリズムなどを利用して視線の向きを変える「寝たままメガネ」というユニークな道具もあります。仰向けになったまま、胸元の本やスマートフォンを見ることができます。
「電動昇降デスク」は、机の高さを変えて座る姿勢と立つ姿勢を切り替えられます。姿勢を意識しやすくするインナーなども紹介されていました。
こうした製品は、姿勢を見直すきっかけや、生活を少し楽にする助けになるかもしれません。
ただし、ここは大切な点です。
これらの器具を使うことで、首の骨の形が元に戻ったり、緊張型頭痛が予防・改善されたりすることが、十分な医学的研究によって証明されているわけではありません。
首を長時間固定したり、強く引っ張ったりすることは、かえって負担になる場合もあります。痛みやしびれ、めまいがある方、首の骨や神経に病気のある方は、自己判断で無理に使用せず、医師に相談してください。
道具はあくまで補助役と考えましょう。
お金をかけずにできる「顎を引く体操」
私が特にお勧めしたいのは、簡単な運動を毎日の生活に取り入れることです。その一つが「チンタック」と呼ばれる顎を引く体操です。
まず椅子に楽に座って背筋を伸ばし、視線を正面に向けます。そこから、頭全体をゆっくり真後ろに引きます。軽く二重顎をつくるイメージです。顎を胸につけるように下を向くのではありません。
5秒間保ってゆっくり戻す動きを10回。無理のない範囲で1日3セットを目安に行います。肩に力を入れず、呼吸も止めないようにしましょう。
この回数は取り組みやすい目安であり、「必ず3セット行えば頭痛が治る」と証明されたものではありません。もし痛み、しびれ、めまいなどを感じたら、すぐに中止してください。
肩をゆっくり回したり、肩甲骨を軽く寄せて力を抜いたりする運動を組み合わせるのもよいでしょう。
首や肩の運動療法は、緊張型頭痛を軽くする助けになる可能性が研究でも示されています。ただし、効果には個人差があります。
いちばん大切なのは、同じ姿勢を続けないこと
スマートフォンはできるだけ目の高さに近づけ、肘を机やクッションで支えましょう。パソコンの画面も見やすい位置に調整します。
そして、30分ほど同じ姿勢が続いたら、少し立ち上がったり、肩や首をやさしく動かしたりしてみてください。立って仕事をする場合も、立ちっぱなしには注意が必要です。
首のこりや頭痛が続くときには、「スマホのせいだろう」と決めつけず、医療機関にご相談ください。特に、突然の激しい頭痛や手足に力が入らないなどの症状があるときは、すぐに医療機関を受診する必要があります。
いつも完璧な姿勢でいようと、頑張りすぎなくても大丈夫です。
ときどき姿勢を変え、首や肩を休ませる。その小さな習慣から、首にも頭にもやさしい毎日を始めてみませんか。









