05/03,
2020
小児片頭痛のアンケート調査
新型コロナウイルスで学校の休校が続く中で、小・中学校の皆様はどの様にお過ごしでしょうか。日本頭痛学会のニュースレターで埼玉国際頭痛センター(センター長は坂井文彦先生)の浅野賀雄先生より,小・中学校を対象に実施した頭痛アンケート調査についての報告がありました。以下はその内容です。「このセンターには10歳代の患者さんも多く受診されており,2012 年に近隣中学の養護教員と共同でアンケート調査を行い,頭痛のため多くの中学生が保健室を訪れ,登校さえもできなくなっている実態が明らかとなりました.その後,さいたま市教育委員会に協力を依頼し,市内の公立小・中学校それぞれ10校を対象に2018年9月から12月において頭痛アンケート調査(Saitama study)を実施しました.対象は,小学生 2316名(4~6年生),中学生 3944名の計6260名です.過去3カ月に何らかの頭痛を経験した小学生は70.2%,中学生は77.0%,小・中学生全体の頭痛有病率は74.5%でした.頭痛のため保健室で休んだことがある生徒は小学生 14.4%,中学生 13.5%,学校を休んだことがある生徒は小学生10.8%,中学生 11.3%で,医療機関を受診した生徒の割合は小学生 11.4%,中学生 14.8%でした.アンケートから片頭痛と考えられる生徒の割合は小学生12.6%,中学生21.1%で,学年が進むとともに片頭痛有病率も増加し、性別では女子に多く,学年とともに女子の占める割合が増加する傾向を認めました.一方,これら片頭痛と考えられる生徒のうち医療機関を受診した割合は,小学生38.0%,中学生35.0%と,多くの生徒が一度も医療機関を受診していない状況が明らかとなりました. わが国における片頭痛の疫学調査においても,片頭痛患者の医療機関への受診率は低く,69.4%は一度も医療機関を受診していないことが報告されています.」以上でした。今回は頭痛で悩んでいる小・中学生とその保護者、多くの患者さんを診ておられる小児科医の先生方に読んでいただきたく紹介致しました。ぜひ、ご相談ください。