片頭痛発作の前に前兆として、視野の一部がチカチカして見えずらくなる現象が知られてます。閃輝暗点(せんきあんてん)と言われてます。しかし、これのみで頭痛発作をきたさない方もいます。過去に私も２度ほど経験しました。１回目は夜おそく自宅で食事しているときに、左視野が欠けてきて見えなくなりました。10分ほどで収まりましたが、幸いにそのあと頭痛は起きませんでした。2回目は、夕方の診察中に左視野が一部欠けてきました。15分ほどで収まり、この時も幸いに頭痛は起きませんでした。国際頭痛分類第３版の本(頭痛専門医は診察室に必ず持っていなさいと言われています)の中に、この前兆のみでそれに続く片頭痛発作をを伴わないタイプの記載があり、片頭痛の中に分類されています。MRIで脳の器質的異常がないことを確認する必要はありますが、正常な場合(私の脳も問題ございませんでした)、このチカチカ見える現象は、主に皮質性拡延抑制(cortical spreading depression)という脳の活動低下がおき、目から入った光を物体として認識する働きのある後頭葉が一時的に働かなくなる現象が起きるためと考えられています。その他の説は割愛しますが、私の場合は、疲労が引き金になったと考えています。ただ、この発作が頻回になれば、運転などに支障をきたすこともありますので、ご相談にいらしてください。片頭痛の予防薬が有効な場合があります。