12/11,
2018
リフレイジング
認知症の症状には介護する方にとって対応がつらいBPSD(行動・心理症状)があります。その中の一つに物盗られ妄想があります。例えば、認知症の母親が「嫁に財布を盗られた」と帰宅した息子さんに訴えたときに、「そんなはずあるわけない!」と突き放した言い方をすると、母親は自分を否定されたと思い、息子さんを敵と判断し、けんかになりかねません。お金が絡んだ問題ですのでお嫁さんも傷つきます。ここで1つのテクニックとして、「繰り返し」話法というリフレイジングという方法があります。「財布がなくなった」、「ものを盗られた」と言われたときに、単純に繰り返して言う方法です。「財布がなくなったの?」、「とられたの?」と繰り返すだけです。ご本人は共感を得たことにまずほっとすることでしょう。対応する方も答えをその都度考える必要がなく、イライラすることも減ります。必ずしもうまくいかないかもしれませんが、まず試してみてください。ケアの基本はまず相手の共感を得ることですので。